2003
粟福と米福
大地の芸術祭 – 越後妻有アートトリエンナーレ 2003
ぬりぎ佛壇店、十日町市、新潟
2003年 7月20日 – 9月7日
2003
粟福と米福
大地の芸術祭 – 越後妻有アートトリエンナーレ 2003
ぬりぎ佛壇店、十日町市、新潟
2003年 7月20日 – 9月7日
アーティスト・ステートメント
粟福と米福
『粟福と米福』は、ひとびとに語り告げられていくうちに、ささやかなズレをともなったそれぞれの物語となって変化していく。
しかし、世界中のひとびとが同じような物語を語っていたという不思議な結びつきがある。わたしたちに潜在的に「残されている何か」があるというのか。いったいわたしたちのなかにいくつの物語がのこっているのだろう。
絵本で読んだ物語・人が語ってくれた物話・映画のストーリー。そして、小さな勘違いをした物語・勝手に想像した物語・似たような物語にいたるまで数えてみる。すると、わたしたちの記憶もまた、ひとつの物語になっていくのかもしれないと気がついた。
わたしたちはその物語のなかで、多くの主人公の一人であり、同時にどうでもいい脇役でもある。「残されている何か」とは、この主人公と脇役の演じ方なのかもしれない。
古川弓子
概要
越後妻有地方に伝わる伝承文学『粟福と米福』をもとに、十日町市にあるぬりぎ佛壇店の空き店舗を会場にし、ひとつの店舗を改装した大きなインスタレーションを発表しました。『粟福と米福』はこの地域で語り継がれているシンデレラ物語にそっくりな昔話です。看板には、粟福(シンデレラ)が読んだといわれる美しい短歌を飾り、立体作品では粟福が祭りに着るための上品な着物や髪飾りなどの宝物を出したウチデノコヅチ、粟福が旦那様と出会ったときに履いていた雪わらじ を表現しました。加えて、ロッシーニ作 、オペラ歌劇『チェネレントラ(シンデレラ)』の王子とシンデレラが出会う場面のアリアを、オペラ・ノヴェッラの協力で演奏を収録し、会場ではその演奏のビデオを上映しました。
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